おおすみ事件 輸送艦・釣船事件の真相を求めて
型番 ISBN9784-7807-1990-1
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2014年1月15日、海上自衛隊の大型輸送艦「おおすみ」と釣船「とびうお」が瀬戸内海で衝突、「とびうお」に乗っていた4人が海に投げ出され、2人が死亡する。「おおすみ」が全長178メートルの大型艦であるのに対し、「とびうお」は全長7.6メートルのプレジャーボート。「とびうお」の航跡をたどるGPS記録の喪失もあって、海上保安庁は「おおすみ」の記録・供述にもとづいて判断を下す。結論は、衝突の原因は「とびうお」側にあり、「おおすみ」側には過失なしというもの。だが、本当にそうなのか? さまざまな疑惑が浮かび、2016年、遺族による国家賠償請求の民事訴訟を起こした。著者は事故発生以来、経過を見つめ続けてきたジャーナリストとして、経過を確認しつつ問題点を指摘する。
「安全保障問題で発言を続けてきた私が海難事故に注目し、とりわけ軍艦・自衛艦と民間船との衝突事故の真相究明・被害者救援運動に関わったのは、1988年の「なだしお事件」からのことでした。そして今回の「おおすみ事件」の経過を7年にわたってつぶさに見てきて感じるのは、再発防止への歩みが遅々として進まない、時には逆行しているとしか思えないことへのいらだちです」(「あとがき」より)。
[追記] 本書刊行直後の3月23日、広島地裁は原告の訴えを却下した。公正な裁判とは言い難く、現在、原告は控訴準備中である。何が問われているのか? あらためていま本書が提起する問題を共有してほしいと願う。

大内 要三(おおうち ようぞう)=1947年千葉県生まれ。日本ジャーナリスト会議会員。著書に『日米安保は必要か? 安保条約の条文を読んで見えてきたこと』『あたご事件 イージス艦・漁船衝突事件の全過程』ほか。また共著に『軍の論理と有事法制』『新防衛計画大綱と憲法第九条』など。

目次
• 冬の朝、事件は起こった
• 事故原因は「とびうお」の右転?
• 「おおすみ」に咎めなしか
• 国家賠償請求訴訟が始まった
• 新たな証拠で分かったこと
• 証人尋問を経て結審へ
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