浜人の森2011
型番 ISBN978-4-7807-1142-4 C8093 定価:1,400円+税
定価 1,540円(税140円)
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及川 和男:作, 小坂 修治:さし絵
四六判 128ページ 上製
定価:1,400円+税
ISBN978-4-7807-1142-4 C8093

〈目次〉
重茂半島 プロローグ 6
3・11 9
震災孤児 17
ケータイ 23
「ケヤキさま」 32
ケヤキのささやき 39
明治と昭和の大津波 49
此処より下に家を建てるな 59
吉五郎さんの教え 70
自然とは、命とは…… 82
友だち 92
植樹 100
いっしょに生きる 111
冬来たりなば 120
海を見に行く エピローグ 124


〈前書きなど〉
 わしは、重茂の森に生きてきたケヤキ。
 わしは、秘境と言われた重茂の山に根を張って、ずっと人びとの暮らしを見てきた。
 このあたりでは、浜に生きる人たちを浜人と呼ぶ。
 森を大切にする浜人たちだから、わしは、ここを浜人の森と呼んでおる。
 ところが今、思いもよらぬことで、人びとの命をつなぐことになった。
 二〇一一年三月一一日午後二時四六分ころ、巨大地震が日本列島を大きく揺すった。マグニチュード九・〇、千年に一度という実に巨大なものだった。最大震度七。わしもかつて経験したことのないすごさだった。
(「3・11」より抜粋)


〈帯〉
3・11を忘れまい。伝えよう、未来へ!
大津波最高到達地点、岩手県宮古市重茂半島姉吉。
浜人の森の大ケヤキの声が聞こえてくると……。
震災孤児の洋人は、深く考える。生きていくために。
あなたもいっしょに、考えて。


「父ちゃんは、どこサいるんだろうなぁ」
なあ、洋人よ。父ちゃんは、大好きだった海にいるよ。
海のどこかにいるんだ。それだけじゃない。君の内にもいる。
「内にも?」そうだとも。洋人の内にいて、自分が生きられなかった分も、いっしょに生きてくれって、願っているよ。
母ちゃんだって同じだ。君は、独りで生きているのじゃない。
もっともっと生きたかった人の分まで生きる役割がある。な。
「いっしょに生きる」の章より


〈著者プロフィール〉
及川 和男(オイカワ カズオ)
1933年、東京に生まれる。戦争で疎開、岩手に住みつく。
日本ペンクラブ、日本児童文学者協会会員。
小説・児童文学・ノンフィクションなど50作ほどあり、主な作品に『村長ありき』『鐘を鳴らして旅立て』(新潮社)、『米に生きた男』(筑波書房・農民文化賞)、『生命村長物語』(童心社)、『わらび座修学旅行』(岩波書店)、『森は呼んでいる』、絵本『いのちは見えるよ』(岩崎書店・いずれも全国課題図書選定)、『なんでも相談ひきうけます』(岩崎書店・北の児童文学賞)、『ザシキボッコの風』(本の泉社)など。

小坂 修治(コサカ シュウジ)
1950年、盛岡市出身。グラフィックデザイナー。
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