坊主の品格 ― 互いが師となりて ―
型番 ISBN978-4-7807-1229-2 C0015 定価:1,500円+税
定価 1,650円(税150円)
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北島 義信:著
四六判 224ページ 並製
定価:1,500円+税
ISBN978-4-7807-1229-2 C0015

2015/10/20発売予定!

私は本書を一気に読み、いい知れぬ昂奮を覚えた。……本書は論考、法話、問いに対する答えなどが興味深く論述されているため、肩に力を入れずにどこからでも読みすすめることができる、これが本書の魅力である。本書とのであいを慶び私は本書を一人でも多くの人々にお薦めしたい。(推薦:浄土真宗本願寺派法善寺  前住職・武蔵野大学名誉教授 山崎 龍明)


【目次】
はじめに 6
鵯 仏教と真の人間化の道 21
一 インド思想と仏教――その共通項とは何か 22
二 大乗仏教に共通すること 29
三 「坊主」としての主体的立場 35
鵺 日本における仏教の歴史概観 39
一 基層信仰としての神祇信仰と国家 40
二 顕密体制:神祇宗教体制から密教基軸の宗教体制の展開 45
三 親鸞における仏教 50
四 親鸞思想と一五世紀の惣村・寺内町形成 56
五 近世国家における仏教の位置 63
六 近代国民国家形成と仏教:国家神道と仏教 68
鶚 現代における仏教の役割:戦争加担への自己批判とその実践 77
一 能登反原発運動と浄土真宗 82
二 靖国問題と浄土真宗 92
鶤 現代における「坊主」の役割 105
一 「坊主」の基本的立脚点 106
二 親鸞から学ぶ「坊主」の品格 110
三 仏教における説教の現代的意義 123

つしま九条の会二周年のつどい記念講演(二〇〇七年六月九日、愛知県津島文化会館) 129
日常生活と智慧――恩とは何か(千葉県銚子市、浄土真宗本願寺派・     
 寶満寺報恩講法話、二〇〇九年一一月一五日) 165
Q&A 質問に答える 193
あとがき 219



 本書において、仏教とは何か、その現代的意義は何かを歴史的に示し、また面と向かって僧侶には訊ねにくいと思われる、仏教に対する質問とそれへの応答、私自身の宗教活動の一環としての拙い「法話」を通して、皆様が「毛坊主」としての誇りと品格、「坊主の品格」の意味するものを感じていただければ、これにまさる喜びはない。
 私がこれから述べようとすることは、あくまでも、私の問題提起にすぎない。恵心院源信は『往生要集』巻下の結びで次のように述べている。

「私を非難・誹謗する者がいたら、これもまた、真実に到達するために仏から与えられた縁であります。私が正しいさとりを得るならば、その非難・誹謗者を救いたい。もし彼らが正しいさとりを得るならば、私を導き救ってほしい。真実に到達するため、お互いに師となったり弟子となったりする関係性を持とうではありませんか」

恐れ多いことであるが、本書では私も源信と同じ立場に立たせていただいて、問題提起をおこないたい。また、読者の皆さんの批判に耳を傾け、間違っているなら私を真実へと導いていただきたい。そして共に助け合いながら真実へ向かって歩みたいと思う。
(「はじめに」より抜粋)



【著者プロフィール】
北島 義信(キタジマ ギシン)
1944年、三重県四日市市の浄土真宗本願寺派円勝寺に生まれる。
1967年、大阪外国語大学インド語学科ヒンディー語学専攻(現・大阪大学外国語学部)卒業。
1969年、大阪市立大学文学部文学科哲学専攻卒業。
1972年、大阪市立大学大学院文学研究科哲学専攻修士課程修了。
暁学園短期大学教授、四日市大学環境情報学部教授を経て、現在、四日市大学名誉教授。真宗高田派正泉寺前住職。黒人研究の会前代表。地域文化学会理事。正泉寺国際宗教文化研究所長。専門は、英語圏文学・比較文化論(主としてアフリカ・インド)、宗教社会論。
主な業績――『世界の黒人文学――アフリカ・カリブ・アメリカ』(共編著、鷹書房・弓プレス、2000年)、『親鸞復興』(同時代社、2004年)、『現代インド英語小説の世界』(共著、鳳出版、2011年)、「アリー・シャリーアティーとスティーブ・ビコー――その思想的共通性」(『地域文化研究』11号、地域文化学会、2008年)、訳書として、ティム・ジェンキン『脱獄』(同時代社、1999年)、グギ・ワ・ジオンゴ『川をはさみて』(門土社、2002年)、マーティン・バナール『ブラック・アテナ』(共訳、新評論、2007年)、マンドラ・ランガ「裸の歌」(『季論21』第2号、2008年)、チャールズ・ヴィラ・ヴィセンシオ『南アフリカの指導者、 宗教と政治を語る――自由の精神、 希望をひらく』(監訳、本の泉社、2012年)。「日本仏教の平和実現運動:浄土真宗の反原発と反靖国運動を中心に」(『統一と平和』5巻2号、2013年、国立ソウル大学統一平和研究院)、「親鸞における世界認識と現代」(『地域文化研究』16号、地域文化学会、2015年)。
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