大企業で思想差別と闘ったIT労働者の自伝的小説

「思想干渉への反発の代償は空しい窓際人生だった。正義を目指す仲間の友情と利己的な欲求の間で、もがき、よろけながら峠を越えてきた。」（帯文より）


著者：最上裕（モガミ ユウ）
一九五四年生まれ。香川県出身。一九七五年、工業高等専門学校を卒業し、ＮＥＣ入社。社内のシステム開発、運用保守等の業務に従事。主に職場での体験をもとに、小説を執筆。
一九九七年、「記念樹に向かいて」で支部誌・同人誌推薦作品優秀作。二〇二三年、しんぶん赤旗に「広き流れに」を連載。日本民主主義文学会会員、電機・情報ユニオン賛助組合員。
著書：『陸橋の向こう』（光陽出版社）、『さくらの雲』（光陽出版社）、『真夜中のコール』（光陽出版社）、『広き流れに』（新日本出版社）


目次

一　悩みの始まり・・・5
二　青春のミカン狩り・・・16
三　夢の架け橋・・・24
四　黒い海・・・31
五　上京・・・38
六　山に登って、なぜ悪い・・・43
七　逆流の時代・・・61
八　川に沿って・・・72
九　兄弟以上の絆・・・78
十　自己申告面談・・・82
十一　あさやけ・・・87
十二　別れの手紙・・・98
十三　ブレスレット・・・101
十四　門前カンパ・・・104
十五　父の願い・・・115
十六　オフィスオンピュータ・・・120
十七　ICのロット不良・・・123
十八　会費制結婚式・・・131
十九　えっ、テニスサークル・・・137
二十　後輩たち・・・140
二十一　新工場建設へ・・・145
二十二　学童クラブ・・・153
二十三　変化の予兆・・・156
二十四　面談での昇格要求・・・159
二十五　郷愁・・・172
二十六　第二の人生へ・・・177
二十七　斜陽・・・179
二十八　病魔は突然に・・・187
二十九　奇跡の血流回復・・・198
三十　　涙の早期退職・・・204
三十一　離党の選択・・・209
三十二　別れた道の先に・・・215
三十三　ハヤブサの帰還・・・222
三十四　一万人のリストラ・・・228
三十五　希望退職面談・・・232
三十六　最終出勤日・・・239
三十七　薬の副作用・・・240
三十八　桜八幡の大祭・・・246
三十九　異変・・・257
四十　　地域のビラ配り・・・260
四十一　人権の旗を掲げて・・・262
四十二　最後のメール・・・267
四十三　不当解雇撤回の闘い・・・273
あとがき・・・278
解説・・・280


判型　　四六判（並製）　288頁　
ISBN 　 978-4-7807-2279-6
定価　　1760円（税込み）
刊行日　2025年9月2日