中学生・高校生の君たちへ あきらめないで行こう
型番 ISBN978-4-7807-0697-0 C8093 ¥1429E
定価 1,572円(税143円)
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日本図書館協会選定図書
著 者 滝口 仲秋(たきぐち なかあき)

まえがきにかえて 
中学生・高校生の君たちへ
君に聞いてみたいことがある。
部活や勉強は楽しいか、君の毎日は充実しているか、友だちはたくさんいるか。君には、なりたい自分があるか。なにより、その希望に続く君の明日は見えているか。教えてくれ。
君らは大人でも子どもでもない。社会的にも精神的にも不安定な境きょうかいじん界人そのもの。親からの自立はもう少し先のことだろう。
人間の一生における中学・高校時代は、自分探しの時代だろうか。
君は、自分ってどんな人間なのかなんて思ったことはないか? 自分の人生には何が待ち受けているのだろう? 自分が何をやりたいのか? 自分が将来就きたい職業ってなんだろう? そのためにどんな将来設計図・見取図(進学や就職に向け)をつくればいいのか? 一見無意味にさえ思える日々の繰り返しのなかで、「人はなんのために生きているのか」という漠ばくぜん然とした思いや不安を感じたことはないか? 
ぼくにも中学・高校の頃には、「今日も一日が過ぎてしまった。この先はどうなっていくのだろう」と日一日過ぎることに恐れを感じていた時期がある。
夢が育めないといわれる時代だ。先のことなんか考えたことがなくてもどうってことはない。だが、小学生のときに描いた将来像に比べ、いま考えることは、いずれ具体的な足がかりになる。なれるかなれないか、かなうかかなわないかの基準ではなく、ふっと興味がわいたこと、やってみたくなったこと、なんでもいい。誰かの意向でなく、いまの君の気持ちを大切に育てて欲しい。やらないうちに「どうせゆとり(世代)だから」などとあきらめたりするな。
もし、思うようにいかないこと、困ること、腹の立つこと、出口が見つからないように思えることにぶちあたっても、人生という長いスパンで見れば、どうってことはない。息抜き・遊び・スポーツ・読書・絵画・音楽、勉強、人との出会いもふくめて、中学生・高校生の君が経験することに、無駄なことは一つもないのだ。
いま君に必要なことは、いろんなことに挑戦してみることだとぼくは思う。アンテナはより高く、視野はより広い方がいいが、まずは、一歩を踏み出してみることだ。
まぁ、ゆっくりやればよい。
とはいえ、人生には「想定外」のことも少なくないだろう。
ぼくには、つらくて苦しくて、生きていることさえ投げ出したくなったことがある。
立てない・歩けないという難病にかかってしまったのだ。そんなとき、自分と自分の生き方を変えるいくつもの出会いがあった。そのことに気づけるかどうか、いま思えば、生き抜く力というものは、自分という人間の持つ力そのものなのかもしれない。
君たちより先に生きてきた者としていえることは、強い志は生きる力になるということだ。
ぶつかって、悩んで、傷ついて、時にはじっと耐えたり、立ち止る。それでいいのだ。後悔しない人間なんていないさ、お互いに未完成なのだから。

著者プロフィール滝口仲秋
(たきぐち・なかあき)
 1936年 千葉県いすみ市岬町(みさきまち)生まれ。教職(きょうしょく)につく。
30歳代半ばに、難病(なんびょう)脊髄腫瘍(せきずいしゅよう)に侵(おか)され、4回の大手術をほどこす。両足が完全マヒの車いす生活者になり、途中で仕事を辞(や)める。
 現在、残された機能をフルに使い、ボランティア活動、相談員活動、講演にいそしむ。

主な執筆書名
『夷隅郡市福祉マップ』(自費出版)
『足がだめでも手があるさ 生きる力とはなにか』(日本図書センター)
『自立への旅−今日も1漕ぎー 生きる力とはなにか』(本の泉社)
『立てない。座れない。歩けなくなって…生きる力とはなにか』(本の泉社)など

テレビ出演
『生きるを伝える』 2012年3月10日  テレビ東京
『にんげんゆうゆう』2000年7月17・18・25日 NHK教育テレビ など


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